[2011年1月24日]
オグトゥ大使、1月14日に開催された日本紅茶協会の新年会に出席

左から 日本紅茶協会副会長 片岡謙治氏、ベンソン オグトゥ大使、インド大使館 モーハンチュタニ氏、マラウィ大使館 ロゼリン マプン デュカ氏、農林水産省 春日健二氏、紅茶協会会長 阿部庸行氏
1月14日にオグトゥ大使が主賓として日本紅茶協会の新年会に招かれ出席いたしました。
日本紅茶協会は1939年に設立され、現在は51社の会員企業からなり、海外国際機関、生産国ティーボード及び国内関係官庁、機関等との窓口業務をはじめ各種宣伝、啓蒙活動、在日紅茶生産国の大使館と提携した「紅茶と文化を楽しむ会」と公共機関、民間企業における「ティーセミナー」の開催などの活動を行っています。
日本紅茶協会はケニア紅茶の日本市場参入に対するサポート、輸入促進だけではなく投資の可能性についても探っています。
大使のスピーチでは紅茶協会と大使館の良好な関係に感謝を表し、より多くの成果を今後も望むとの事でした。2009年に日本紅茶協会会員企業様にケニアを訪問いただき我が国の紅茶産業をご覧いただき、その後ケニアから日本への紅茶の輸出は大幅に増加しています。また日本の大手レストランチェーンのゼンショーがケニア紅茶の輸入を始めました。
また、東京ではルピシアやリプトンティーハウスで100%のケニア紅茶が販売されていること、今後も東京だけでなく日本各地で紅茶のプロモーションを継続してほしいと述べました。
統計によりますと、ケニアからのインスタントティーの輸入が763,245kgと2005年の519,445kgから増加し、バルクでは2005年の1,018,698kgから2009年には1,579,211kgへと増加しています。ティーバッグでは2005年の31,229kgから28,379kgへと減少しています。
大使はケニアの紅茶栽培について「ケニアの紅茶産業は紅茶生産第3位にまで成長した大きな産業です。また紅茶輸出では3億4,200万キロを50以上の国々に輸出する世界最大の紅茶輸出国です。我が国は最高の紅茶の生産国であり、世界の紅茶貿易の27%を占める紅茶産業を誇りに思っています。皆様もすでにご存じだと思いますが、CTC紅茶だけでなく緑茶、オーソドクス紅茶も生産されています。」と照会しました。以下スピーチの内容は次の通りです。
ケニア紅茶は様々な面でユニークです。農家により栽培される紅茶はケニアの紅茶専門家から高級品と認められ、高収穫、害虫に強い品種が栽培されています。この結果ケニアの紅茶は自然で殺虫剤や化学薬品を使わないピュアな紅茶が生産されているのです。また高品質を維持するため一芯二葉の茶を手で摘むという事が広く行われています。生産においても非常に厳しい品質管理が行われています。それに加え熱帯で養分を多く含む火山性の土壌が紅茶にユニークな香りをもたらします。ケニアで作られる紅茶のほとんどはCTC製法によるものです。CTC製法で作られた紅茶は抽出が早く、発色がよく、味わいの強いものになります。
ケニア紅茶の60%は小規模農家により栽培され、各農家から茶葉を集めこれを加工するKenya Tea Development Agency(KTDA)は小規模農家になり代わり紅茶をモンバサオークションなどを通じて販売しています。モンバサオークションは東部および中央アフリカの紅茶の中央市場としての役割を世界中に知られています。85%のケニア紅茶は世界第二の紅茶オークションであるこのオークションを通じて販売されています。
2010年5月にはKenya Tea Development Agency(KTDA)は持続可能農業、林業、観光業を推進する国際的な非営利団体レインフォレストアライアンスより表彰されました。これは生物多様性を重んじ持続可能な農業を勧める企業にとってはとても名誉なことです。KTDAは2009年までに38,000以上の小規模農家においてレインフォレストアライアンスの認証を得ました。このことはKTDAをはじめそれに関わる農家また紅茶工場で働く従業員にとって多くの利益をもたらしています。いまではレインフォレストアライアンスの認証を得た紅茶は高値で取引され、これにより農民や工場労働者はより安全で衛生的な労働環境のもとで仕事ができるのです。そして土壌、水、野生動物保護についての理解もより一層深まっています。
紅茶は経済の重要な役割を担っています。紅茶産業に関連するセクターは非常に多く、約300万人が直接的に紅茶産業に従事しています。これはケニアの人口の約10%になります。
伝統的にケニア紅茶は市場ではバルクで販売されます。そして世界的に有名な企業にブレンドされ味付けをされるのに大変人気があります。世界のティーバッグのうち少なくとも約1割はケニア紅茶が使われています。そしてケニア紅茶をブランド化し世界の消費者に100%ケニア紅茶を楽しんでいただこうとTea Packers Associationにリードされ付加価値をつける努力が進められています。
紅茶産業に関連する分野では多くの投資機会があります。例えば輸出向けのプランテーションや生産そして紅茶のパッケージングなどをManufacturing Under Bond (MUB)で行ったりすることやExport Processing Zoneプログラムを利用することなどです。
紅茶産業にとってのケニアの魅力というのは多国籍企業が存在するということです。例えばユニリーバ、ジェームスフィンレイ、ウィリアムソンなどです。しかしながら日本企業はこの分野に進出しておりません。紅茶協会とともにそのための地盤を作っていきたいと思います。
例えば
- 紅茶プランテーション
- 日本で人気のあるアイスティーの製造
- 紅茶栽培地域のインフラ開発
- 小規模農家に対するファイナンス
消費者の志向の変化が付加価値をどの様に付けていくかという事の手がかりになります。ティーバッグでもより利便性を追求し効果的な形になってきています。例えばリサイクル、リユース、環境に優しい資材などを利用することなども重要な要素となってきています。
スペシャルティティーのマーケットセグメントにおいてはスパイスなどの自然素材のミックス、ハーブそしてリキッドや粉末のものも最近では人気があるようです。
Ready to Drinkの紅茶はケニア国内および輸出市場にとっても非常に大きなポテンシャルがあります。消費者の健康志向からしても炭酸飲料に代わるものになるでしょう。紅茶協会がぜひこの分野において会員企業の皆様とともに投資実現可能分野として可能性を探っていただきたいと思います。
最後になりますが紅茶協会会員企業の皆様には2011年7月20日から22日までモンバサで開催される第一回アフリカティーコンベンション&エキジビションに是非ご参加いただきたいと存じます。このイベントは東アフリカティートレードアソシエーションの主催で紅茶産業のエキスパート、生産農家、研究者、学者そして投資家など紅茶産業に関連する多くの方々と交流する絶好の場であると確信しております。また最新の技術、研究成果、栽培技術、ブレンドなど最新の情報を入手できるものと思います。ぜひ多くの方々にご出席願いたいと思います。
最後に今後も日本紅茶協会との協力関係の維持、強化に努めよりよい販売促進活動を継続していくことを表明しスピーチを締めくくりました。