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ケニアコーヒー局

紹介

ケニアコーヒー局(Coffee Directorate)は、コーヒー業界の中心的な存在です。
1933年にコーヒー業界に法令が制定された翌年、1934年に設立されました。このコーヒー局は、規則の遵守とケニアコーヒーのマーケティングを行っています。ケニアコーヒーの売買が行われるオークションは、1934年に始まりました。リカー部門が1935年に新設され、グレードごとの品質の査定を促進しています。この役割は、法の改定によって何度も変更になりながら、現在の形に落ち着きました。2001年、コーヒー条例333章は廃止され、コーヒー条例2001の9番が制定されました。そして、コーヒー局がケニア農業省のもとに、法定の団体として、コーヒー業界を監督しています。

目標と目的

ケニアコーヒー局が組織された目標と目的は、生産、加工、付加価値付け、そして国内外におけるケニアコーヒーのブランディングにおいての競争を促進すること、そして、ケニアのコーヒー業界に対する興味を広く生み出すためです。下記の一般的な目標は、コーヒー局の活動の基本を成しています。

  • 農業省との協議の上で、コーヒー産業を規制し、発展させるための政策や法を策定する。
  • コーヒーの苗床、生産者、果肉除去工場、製豆所、マーケティング・エージェント、管理エージェント、バイヤー、焙煎業者、梱包業者、倉庫業者、競売人の登録を行い、それぞれを認可する。
  • コーヒー生産、および品質改善に関するアドバイスを提供する。
  • データの収集、照合、分析を行い、コーヒー産業に関するデータベースを維持し、コーヒーを扱う個人の登録を通じて、記録と調査を行う。
  • コーヒー産業に関する調査研究、および調整を実行するに当たり、コーヒー研究基金にアドバイスをし、監督する。
  • 政府を代表して、コーヒーに関係する国際的な会議に参加する。
  • 業界内で論争が生じた場合には、仲裁にあたる。
  • コーヒー産業の促進を目指した、その他の役割を果たす。

政策および法の改正

ケニアのコーヒー業界をより競争力のある業界にするために、また国内外双方にダイナミックなコーヒー産業として残すために、ケニア政府は継続的に政策と法の改正に務めています。
そのため、ケニアコーヒー局を通じてのケニア政府の役割りは、コーヒーを扱う全ての業者が活躍できる環境を作ることに集約されました。

ケニアコーヒー

世界には様々なタイプのコーヒー豆がありますが、主な品種はアラビカ種とロブスタ種です。アラビカ種は、高品質でマイルドなコーヒーとして、ブレンド用に好まれています。ケニアのアラビカ種は、標高1,400〜2,000メートルの高地に見られる、火山性土壌で育てられます。最高品質のアラビカ種がケニアで栽培されているのは、世界中によく知られている事実です。

ケニアの気候は、ヨーロッパの夏より暑くなることはなく、最適な気候であるヨーロッパの春よりも涼しくなることはまずありません。平均気温は、19℃(35F°)くらいです。雨は、一年を通じてほどよく降ります。ケニアでのコーヒー栽培地の年間降雨量は1,000ミリ(35インチ)未満、そして土壌は水はけの良い赤土のロームです。これらの条件が、ケニアのコーヒー栽培地を世界中で見てもユニークなものにしているのです。広大で丸みを帯びた尾根が、谷に向かってゆるやかに傾斜しています。そして、谷間には流れの早い川が豊富な水を蓄えています。そして、肥沃な赤い火山性土が斜面を厚く覆い、水はけの良い環境を作り出しているのです。

ケニアコーヒーの生産は、種からコップに注がれるまでシステム的な要網に従っています。苗床、農園、果肉除去、豆の破砕、格付けと全てが管理されています。そして、細部にまで注意を払うことによって生まれるのが、最高品質のケニアコーヒーなのです。

研究

コーヒー研究財団(Coffee Research Foundation)は、世界で最初のコーヒー研究機関であり、最高の機関のひとつと評されています。コーヒー生産者が出資し、コーヒーの生産、加工、そしてマーケティングまで、コーヒーに関係する全ての課題のリサーチを担当している機関です。

ケニアコーヒーカレッジ(Kenya Coffee Collage)は、コーヒー研究財団の管轄下にあり、ケニア国内外にコーヒーに関する様々なトレーニングを提供しています。ケニアコーヒーカレッジでは、資格を持ったスタッフが、最適な時期に、最高で最先端の農技術を、全ての利害関係者に伝えるための惜しみない努力をしています。

生産

ケニアコーヒーは、1893年から1世紀以上にわたり栽培されてきました。現在コーヒーの総栽培面積は推定16万ヘクタールになります。そのうち約1/3がプランテーション部門、残りを約70万人の小自作農部門が占めています。

年間の総生産量は、社会経済状況と同様に、天候によっても大きく変動します。現在のところ、年間の生産量は100万袋程度です。

開花シーズンは、1年に2回あります。雨季が始まる直後の3/4月ごろと10月です。主な収穫シーズンは、10〜12月となります。早摘みのコーヒーの収穫開始は、5〜7月です。

加工

最高の品質を確かなものにするために、ほとんど全てのケニアコーヒーに利用されている加工法が、水洗式精製法です。コーヒー生産者は、赤く熟した実のみを収穫します。収穫されたコーヒーチェリー(コーヒーの赤い実)は、加工する前に選別され、未熟、加熟、病害のある豆が取り除かれます。そして、加圧して、果肉除去をするのです。

その後、豆を発酵させます。ヌルヌルとした糖状の皮膜が残っていますが、これは発酵過程により取り除くことが可能です。また、パーチメント(内果皮)発酵の過程は、36時間以内に終了させる必要があります。

次に、コーヒー豆を乾燥台の上で天日干しにします。ケニアコーヒーを有名にしている青っぽい色を出すためには、豆を定期的に混ぜることが必要です。

コーヒー豆の乾燥は、コーヒー農園で行う最後の行程です。豆が完全に乾燥したら、袋詰めし、製豆所に送る準備をします。

格付けと分類

製豆所では、まずパーチメント(内果皮)を取り除き、その後機械を使って、重さ、形により、7つのグレードに格付けします。現在、ケニアには7つの認可された商業的コーヒー製豆所と、いくつかのプライベートな製豆所があります。

PB コーヒーチェリー1個につき1つしかない丸みのある豆(本来は、コーヒーチェリー1個につき、2つの豆が入っている)
AA 大粒の豆 (ふるいの穴のサイズ 7.20mm)
AB AグレードとBグレードのコンビネーション(ふるいの穴のサイズ 6.80 mm)
C B よりも小さい豆
E エレファント。最大の豆
TT 全てのグレードから吹き飛ばされた軽量豆。エレファントのかけらになったものも含む。
T 最小そして最細の豆。壊れた豆、不完全な豆を含む。

「ムブニ(Mbuni)」は、水洗式精製法を使っていないコーヒー豆(無洗豆)です。この種の豆は、コーヒー生産量全体の約10%を占め、下記の2種にグレード分けされます。

  • MH = 重いムブニ (Heavy Mbuni)
  • ML =  軽いムブニ (Light Mbuni)

これらの種は、一般的に安い価格で取引され、すっぱい風味があるのが特徴です。

これらの格付けはさらに、10段階の数字で表される分類がなされます。これは、生、焙煎、抽出されたコーヒーから分析され、分類されます。1は最上のコーヒーで、10が最も風味の少ないコーヒーです。1杯のコーヒーの格付けは、以下のように説明できます。

  • 特上(Fine)
  • 上等(Fair)
  • 良質(Good)
  • 4級にあたる中等(Fair Average Quality)
  • 普通(Fair)
  • Poor(風味不足)
  • 下等(Common Plain Liquors)

品質保証

コーヒーの品質と安全は、世界中のコーヒー生産者と消費者、双方にとって大きな関心ごとです。
ケニアコーヒー局は、ケニアのコーヒー業界を統括する機関として、品質管理をその最重要任務においています。全ての製豆所、マーケティングエージェントは、法の定めに従い、ロットごとにサンプルを提出して、品質分析専門家の厳しい検査を受けなければなりません。また、生産者もマーケティングを行う前に、コーヒー局に豆のサンプルを提出し、品質分析を受けることになっています。

コーヒー・マーケティング/プロモーション

マーケティング

現在、ケニアには、2通りのケニアコーヒーのマーケティングシステムが存在します。
まず一つめは、通年毎週火曜日に開催されるセントラルオークションです。ここでは、コーヒーが取引されています。これでは、登録されているコーヒー売人が競りにより、コーヒー豆を売買します。ナイロビコーヒー取引所(Nairobi Coffee Exchange)は、ケニア・コーヒー・プロデューサー&トレーダーズ協会(KCPTA/Kenya Coffee Producers & Traders Association)の管理により、開催されています。

そして二つめが、“第二の窓(Second Window)”と一般的に呼ばれている直取引です。マーケティングエージェントが、海外の商人と直接交渉することから始まります。そして、“売買契約”にサインをした後、ケニアコーヒー局により、その契約が批准されます。コーヒー局は、契約ごとにコーヒーの品質、そして価値を検査、分析した後に、契約を批准しています。

これらの取引を行うマーケティングエージェントにも、2通りがあります。

  • コマーシャル・マーケティング・エージェント(Commercial Marketing Agents):
    商取引を目的とした売買のみを扱います。
  • グローワー・マーケティング・エージェント(Grower Marketing Agents):
    生産者が、生産者の所有するコーヒーのマーケティングを行います。

プロモーション

ケニアコーヒー局は出資者と協力し合いながら、ケニアコーヒーの普及促進の役割を担っています。そのため、ケニアコーヒー局は、下記のことを行っています。

  • ケニアコーヒーとその商品を消費者に宣伝する(ブランド・アイデンティティ)。
  • ケニアコーヒーの品質とその安定供給に対する認識を高めるために、在外大使館、消費者、業界団体を通じた戦略的ネットワークを構築する。
  • 市場の機会、脅威を特定し、利害関係者に適切なアドバイスをするために、消費、産業の動向に関する貿易、業界の情報を集める。
  • 現地をベースにした輸出業者、販売業者との連携を強め、マーケット動向と消費パターンのデータを集め、分析する。
  • 業界のマーケティング活動の指針とするために、既存マーケット以外にも東ヨーロッパ、アジア、その他の国の消費者についても調査する。
  • 消費者へのケニアコーヒーの認知度を高めるため、国内外の国際見本市、貿易に関する博覧会に参加する。
  • ケニアコーヒーの生産者とバイヤーのマーケティングにおける関係を密接化させ、マーケティングチェーンを短くすることによって、生産者への利益を大きくする。

Coffee Directorate
Coffee Plaza bldg., 10th Floor
Exchange Lane, off Haile Selassie Avenue
P.O. Box 30566-00100 NAIROBI
Phone: +254-20-342717, +254-20-342358
Mobile: 0710-670-026, 0788-109-426