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経済概観

概要ビジョン2030ケニアで活動する多国籍企業GDPの伸びと経済展望
改革プログラムと課題中小企業


モンバサ港

東アフリカで最大規模のケニア経済は、いくつかの要因によりここ数年間に急速な成長を遂げました。ケニア経済は、次のような長所を有しています。教育を受けた労働力、東アフリカや中央アフリカなど内陸諸国向けの輸出入の拠点となる重要な港、豊富な野生生物や何キロもの魅力的な海岸線、政府による経済改革実施の公約などです。

ケニア農業の発展は、依然としてGDPに最も大きく寄与しており、高級切り花を主体とした園芸産品が主要輸出品目の1つです。ケニアの輸送・通信インフラは中レベルの水準にありますが、最近の発展により中長期的には、より競争力の高い良好なサービスが提供できると見込まれています。ケニアは、タンザニア、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、その他の加盟国と共に、東アフリカ共同体(EAC)のメンバーです。EACはより緊密な統合に向けて努力しており、ケニア経済に広くプラスの影響を及ぼすことでしょう。ケニアは、20カ国の加盟国から成る東南部アフリカ共同市場(COMESA)のメンバーでもありますが、COMESAは、アフリカ全人口の約半分を占める東部・南部アフリカの4億近くの人々の間に交易の道を開いています。

EACの発展は、ケニアにとって好機であると同時に挑戦でもあります。ケニア経済がブルンジやルワンダは言うまでもなく、ウガンダやタンザニアの経済よりはるかに大規模であることから、政府は、2005年1月1日発効の関税同盟が他の加盟国との公正を図るために、税譲許を行わざるを得ませんでした。

国民勘定

  2003 2004 2005 2006
市場価格でのGDP
GDP成長率 3.0 4.9 5.8 6.1
名目GDP[10億ケニア・シリング(KSH)] 1,136.30 1,282.50 1,415,20 1,642.40
実質GDP(2001年) 1,056.50 1,107.70 1,172.10 1,244.45
支出区分
政府最終消費支出[10億KSH] 205.1 226.0 242.4 267.1
民間最終消費支出[10億KSH] 875.2 965.5 1,077.10 1,219.70
総固定資本形成 179.3 206.6 263.10 309.40
1人当たりGDP
名目GDP 34,286 37,655 40,489 45,307
名目DFP(2001年)価格[KSH] 31,940 31,877 33,350 34,435
国際収支
経常収支[10億KSH] 11.1 -28.0 -37.4  
貿易外収支[10億KSH] 97.9 101.1 126.4 197.0
商品貿易収支[10億KSH] -86.8 -129.0 163.8 270.4

出所:中央統計局(CBS)


ビジョン2030

2006年10月、ケニア政府は、国内開発の転換に焦点を当てたビジョン2030を発表しました。これは、2007年に終了する「富と雇用創出のための経済回復戦略(ERSWEC/Economic Recovery Strategy for Wealth and Employment Creation)」に取って代わる意欲的な長期戦略です。ビジョン2030は、(1)1人当たり所得を5倍増して3,000ドルにする、(2)年間経済 成長率10%を達成する、(3) 国を効率的な近代民主主義国に変えるというものです。これらにより、ケニアは経済強国となることでしょう。ビジョン2030は、国家経済社会評議会 (NESC/National Economic and Social Council)により運営されます。同評議会は、大統領とトップクラスの企業やその他の組織の最高運営責任者、国際的エキスパートである英国のリンダ・チョーカーやシンガポールのリー元首相などがメンバーとなっています。

ビジョン2030の背景

ビジョン2030は経済、社会、政治という3つの柱を基に2008年から2030年までをカバーするビジョンです。
経済については今後25年以上にわたりGDP年平均成長率10%を達成することに目標に、経済開発プログラムを通して全てのケニア人に富をもたらすことを目標としています。社会については「クリーンで安定した環境における公正で団結力に富む社会」の建設。そして政治についてはケニア人の権利と自由を保障し、法律を遵守する問題解決型の政治体制を基に民主主義を確立することです。世界的競争力を持ち質の高い生活を営む豊かな国となる包括的なビジョンの基、全ての柱が一体となって機能します。
ビジョン2030は5ヵ年の中期計画を連続して実行するもので最初の5ヵ年計画は2008年から2012年をカバーします。

ビジョン2030の実施

2012年まで年成長率を10%とするとうい政策は3つの柱すべてにおける最も重要な達成すべき目標です。プロジェクトは将来の地方の発展をめざし、全国的な影響力をもつ独自の大規模プロジェクト戦略です。
ビジョン2030は初期の5年ヵ年計画だけではなくビジョン全体を包括的に見る長期計画です。このビジョン期間中には政策や行動プランは世界情勢、各地域の状況などに対応し5年毎に体系的に見直され改定されます。このようにビジョン2030は各分野の重要なプロジェクトを策定し明確な目標に向かって進んで行きます。
この大掛かりな国家変革期間中には今までのビジネスから今までと違ったビジネスへ、複数のそしてしばしば調和の取れていない意思決定から中央の統制のとれた意思決定へ、限定的意味での緊急性から断続的なフォローアップへ、対応の遅い法制化から素早く積極的な法制化へ、質が低く分散化した資金提供から高品質の保証された投資へ、未熟練から優秀な人材供給へと、基本的な変革が必要とされます。そして最終的には必要不可欠な能力を備えた半自主的政府機関 (a Semi-Autonomous Government Agency)が全てのビジョン2030プロジェクトを管轄する機関として設立される予定です。このことにより、その政府機関は政府の各省庁の部署および民間部門、市民社会、その他関連機関と連携をとりながら計画を推進していくことになります。


ケニアで活動する多国籍企業

ケニアで事業を行っているトップ企業には、バークレーズ銀行、スタンダード・チャータード銀行、携帯電話サービスプロバイダーのボーダフォン(いずれも英国)等が含まれます。カナダに本社を置く靴メーカー、バータや、ドイツの化学品製造メーカーでニベア・スキンケア製品を生産しているバイアースドルフも名前を連ねます。このほか、ケニアで操業している他の多国籍企業としては、ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)や食品メーカーのキャドベリー、豊田通商などがあります。


GDPの伸びと経済展望

ケニア中央銀行のデータによれば、ケニアの2005年の市場価格での実質GDPは、およそ1兆4,150億KSH、すなわち206億ドルでした。2006年のGDP増加率は6.1%を達成しました。2005年の伸びは5.8%、2004年は4.9%、2003年は3%でした。1人当たりGDPは40,489 KSHで、前年の37,655 KSHを超えました。

今後3年間のケニア経済は、石油価格高水準の継続と、わずかながら物価上昇が続くでしょう。


改革プログラムと課題

キバキ大統領の改革プログラムには、多くの半官半民組織を民営化し、国内外からの投資を促進する環境を創出する計画が含まれています。

2006年、政府は、政府直轄の公営企業からの資本撤退に向けて大きく踏み出しました。また政府は、半官半民組織に独占されているか、または引き続き独占されている部門に限らず、競争の活発化を促進しています。ケニアでは、国内市場への外国投資家の参入を以前より歓迎する風潮があります。これと同時に、ケニア投資促進センター(KIA)は、ケニアでの投資手続を円滑化するための措置を取りました。KIAは、ワンストップ・ショッピングができるような場所になることを目指して努力しています。鉱業部門等産業別のライセンスを求める際、別々の官庁に申請しなければならない、依然として変わらない現状があるからです。2007年初めに公表された、ケニアの事業ライセンス制度改革に関する画期的な報告によると、政府は、何百にも及ぶライセンス取得義務を撤廃するとともに、最低限投資額を50万ドルから10万ドルに引き下げることを目指しています。

現在、ケニアで投資を開始する手続は、外国投資家の道案内を専門的に行う連邦のケニア投資促進センター(KIA)のおかげで、容易かつ分かりやすいものになっています。ケニアに対する投資の第一歩は、KIA担当官に相談することから始まります。ケニアへの投資を始める人は、まずナイロビに本庁を置くKIAで手続を開始します。KIAから得られる投資のための支援や情報は、世界中に所在するケニアの大使館やハイコミッション、さらにケニアへの投資に関する詳細な情報を分かりやすく案内しているKIAのウェブサイトから入手できます。コンサルタントや弁護士から助言を得ることもできます。

ケニアの主要な投資機会の要約(PDF:700KB)

中小企業

ケニア政府は、2007年初め、中小企業に対し、これまでより効果的な融資を奨励する目的で、小規模金融法案(Micro-Finance Bills)を成立させました。かつて、中小企業は、一般に、伝統的な資金源に頼ることができませんでした。2006/2007年度予算では、付加価値税(VAT)登録の最低限度額を300万KSHから500万KSHに引き上げて、VATの徴収対象から中小企業を除外しました。中小企業をVATの対象とすることは、時間のかかるいかにも官僚的で、しかもハイコストな手続であったと言えるでしょう。

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