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切り花産業

ライキピアのキシマ・ファーム
  1. 背景
  2. ケニア花き園芸協会(KFC・Kenya Flower Council)

背景

切り花産業の歴史

現在、ケニアの園芸部門は、経済全体で最も成長の速い産業の1つであるとともに、観光と紅茶に次いで3番目に大きな外貨獲得産業です。このことは、果実、野菜、花の輸出がほぼ毎年増加していることにも反映されています。園芸産業は、過去10年間で4割程度の伸びを示し、2014年に輸出量は22万トンに達しました。

ケニアからの園芸産品の輸出の歴史は、独立前、当時英国の植民地であったケニアが、東アフリカの財政運営に寄与することを求められていた時代にさかのぼります。独立後も、園芸産業は、欧州向けの輸出が増え、輸出市場でのケニアの潜在能力が認められるのに伴い、成長を続けました。

欧州市場向けの輸出は1970年代に増加し始め、最大の輸入国オランダは、全体量の71%を占めるまでになりました。流通の大半にオークション制が用いられました。英国が20%でこれに次ぎ、さらにドイツが6%で続きます。輸出が順調なのは、主要な仕向け地への毎日の航空貨物便に支えられて、ケニアが1年を通じて品質の良い製品を供給することができることによると考えられます。

気候

ケニアは赤道地域に位置しますが、地方によって高度に大きな差異があり、蒸し暑い海岸から涼しい高地まで、多様な気候条件が存在します。1,500メートルを超えると温帯気候で、日中の気温は22℃〜30℃、夜間は6℃〜12℃です。温帯地域では、2つのはっきりした雨季があります。3月から6月までの「大雨季」と9月・10月の「小雨季」です。雨の日は60~80日程度で、1年のほとんどはすばらしい日照に恵まれます。これは、温室を用いることなしに、高品質の花を1年中栽培できる理想的な環境です。首都ナイロビは主要な航空拠点の1つであり、主要航空会社やチャーター便会社がナイロビから欧州・アジア市場へ、更にそこから他諸国へ、非常に便利な航空貨物便を提供しています。現在、日本とケニアの間には、2つの主要な航空会社が就航しており、安い直行貨物便が利用可能です。

切り花

最近、コロンビア、エクアドル、イスラエル、インド、中国、ジンバブエ、ザンビア、エチオピア、ウガンダからの競争が強まってきていることを考慮に入れても、ケニアの切り花輸出の伸びには驚異的です。ケニアの花産業は、園芸部門一般と同様に急成長を続けており、2000年には輸出がさらに3.6%増加し、これまでで最高の3万8,000トンを記録しました。輸出市場ではバラの輸出が引き続き際立っています。売上量は、1999年の2,460万キロから2000年の2,840万キロへと、15%増加しました。

ケニアの花産業は、1990年以来大幅に成長しました。ケニアの輸出量は伸び続け、1990年の1万4,000トンから2000年の3万9,000トンへ、さらに2003年の6万1,000トン、2005年には8万1,217トンへと増加しました。この数字は、花の輸出量の著しい伸びを証明しています。それに伴い、花輸出額は、1990年の約10億KSHから2003年の70億KSH、2003年の160億KSHへ、さらに2005年の228億KSHの最高記録へと増加しました。

ケニアの農業部門の中では、花卉栽培は紅茶に次ぐ第2外貨獲得産業です。年間2億5,000万ドル強を生み出します。そして、5万人〜7万人を直接雇用し、150万人強を間接的に雇用しています。

花卉栽培分野においては、毎年の切り花輸出の量と額の伸びで最高を記録してきました。過去15年間、年間増加率は35%にもなっています。バラ栽培面積は、毎年増加し続けるものとの予想です。

ケニアの切り花産業の成長

切り花産業は、年平均成長率20%を保っています。花産業は、2005年に8万1,217トンの最高記録を打ち立てました。昨年、バラは4万5668トンから伸びて6万1,072トンに達しています。カーネーションは1,476トンから2,603トンになりました。他にも、スターチスは563トンから438トンへ減少、アルストロメリアは767トンから949トンへ増加、その他は1万6,155トンとなっています。

2006年、ケニアからはバラが最も多く輸出されており、輸出全体の74%にもなりました。その他は、混合花束は10%、アルストロメリアは5%、カーネーションは3%、アルストロは2%、スターチスは3%、ベロニカは1%、その他の種類が残り6%となっています。

ケニアのその他の切り花としては、混合花束、ヒエンソウ、エリンジウム、カスミソウ、トルコギキョウ、ベロニカ、アジアンティックリリー、オリエンタルリリー、ザンテデスキア、チューベローズ、カルタムス、ゴクラクチョウカ、バーズ・オブ・アイルランド(Birds of Ireland)、ヘリコニア(Helichonia)、モリブディック(Molybdick)、シダ類等があります。また、ケニアで栽培される鑑賞植物の種類も増え、鉢植え用の切り枝として輸出されています。

ケニア花き園芸協会(KFC・Kenya Flower Council)

ケニア花き園芸協会は、花分野における国の代表であり、政府や開発機関、メディア、貿易団体、労働組合、その他の非政府機関を代表して、ケニア生鮮品輸出者組合(FPEAK/Fresh Product Exporters Association of Kenya)と緊密に協力しています。

KFCは、会員の協力と支援を得て、オランダやその他のEU諸国で「ケニア花の日(Kenya Flower Day)」を開催しています。KFCは、激動の業界の変化に遅れないよう努めており、会員やクライアント企業、その顧客の公正な取引を目指しており、花産業のあらゆる問題解決に取り組んでいます。

この点で、KFCは、ケニア国内および国外で花卉栽培を支援する環境を創出するために、他の利害関係者や組織と協力しています。たとえば、KFCは、花卉産業環境プログラム(MPS/Milieu Programma Sierteelt- 欧州)と緊密な協働関係を持っています。また、他の国際花組織とは、KFCコードの相互承認の交渉を積極的に進めています。KFCは、花組織の国際組織である花連合(Union Fleurs)のメンバーです。

KFCは、ケニア花産業の振興を図るため、様々な国で「ケニア花の日」を企画しています。これは、年1回の行事で、これまでオランダ、英国、ドイツで開催しました。

現在、KFCの会員は、ケニア全体の花輸出の70%強を占めています。1970年には、ケニアではまだ花を輸出が始まっていませんでした。ところが、現在では、EU諸国への最大の輸出国で、総花売上高の31%を占めており、17%のコロンビアと16%のイスラエルがこれに次ぎます。ケニアにとってEUの主な輸出相手国は、オランダ、ドイツ、スイス、フランス、英国です。